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茨城大学地質情報活用プロジェクトのブログ

カテゴリー「地質の小話」の記事一覧

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「地球を守る」って何だろう?~生物多様性と地質多様性~

「私は恥ずかしげもなく『地球のために』と言う人間がきらいだ・・・
なぜなら地球ははじめから泣きも笑いもしないからな」


「寄生獣」という漫画の一節です。


「エコ」「地球にやさしい」「地球を守ろう」といったフレーズを良く聞きますね。

政府はいろいろな環境関連法を整備して、「エコファースト制度」「エコポイント」といった政策を打ち出し、企業はCO2削減に努め生物多様性保全の運動を展開します。
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もはや地球のため、環境のため「エコ」はあたりまえといった感じです。



しかし、僕らの守ろうとしている「地球」って、何なのでしょうか?



それは「気象」や「森林」、「生物多様性」だけではなく、「地形」「地質」「土壌」といった言葉で表される、僕らの立つ大地までの全てです。地球環境保全の活動には、これを踏まえた全体的な視点が必要なのです。
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生態系の機能のうち、気候調整、食料・素材の提供、遺伝子資源、廃棄物の処理といった、人間がその恩恵にあずかっているものを「生態系サービス」と呼び、近年特に注目を集めています。

2010年には名古屋で生物多様性に関する世界的な会合であるCOP10が開催され、これに向けて2009年8月には環境省から生物多様性への企業などの関わり方の指針を示す「生物多様性民間参画ガイドライン」が公表される予定です。



生態系サービスを生み出している「生物多様性」。この形成に重要なのが、「地質多様性」です。
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例えば「蛇紋岩」という岩石には、「蛇紋岩植生」と呼ばれる特異な植生が見られます(特別天然記念物に指定されている北海道アポイ岳の高山植物群落などがそうです)。

同様に主に炭酸カルシウムでできている「石灰岩」にも特異的に生育する植物がありますし、またマグマが固まってできた「花崗岩」と、岩石が風化したり生物の遺骸が積もったりしてできた「堆積岩」とでは、やはりその上に育つ植物の種類が違います。



地質多様性の生み出す多様な植物相が、そこに繁殖する多様な生物相を生み出します。

生物多様性を保全するためには、地質多様性の働きを知る必要があるのです。



「泣きも笑いもしない」大地はしかし、しっかりと、僕らの生活のまさに基盤になっているのです。


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ジオパークは「地質学的重要性だけでなく、考古学的・生態学的もしくは文化的な価値もある1ないしそれ以上のサイトを含む地域」とされています。

当プロジェクトの主催する「ジオツアー」でも、現地を回りながら地質多様性の生み出す様々な価値をご紹介しています。

ぜひツアーに参加して、地域の文化的、生物的資産の根源である大地のことを知り、感じてみてください!


・過去のジオツアー開催実績はこちら ・お問い合わせはこちら
(小峯)

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地熱発電?

はじめまして!!!
プロジェクト新規メンバーの土屋です。
これから、前回のブログ担当の畑中君以上に頑張って活動に参加していくので、どうぞよろしくお願いします。


さて、
今現在自分たちはゼミの発表の準備をしているわけですが、今回の記事でその内容を、少しだけお話したいと思います。

その内容は、地熱発電についてです!



地熱発電とは、深さ3km程度までの比較的地表に近い場所に蓄えられた地熱エネルギーを資源として利用するもので、これには地熱発電のほか、温泉・暖房・熱水利用(家庭用、農業用、工業用)といった用途があります。


 ↑ 1966年に日本で初めて運転を開始した松川地熱発電所(岩手県)
(画像元 経済産業省東北経済産業局地熱に関するページより)


地熱発電は、地下に存在する蒸気を利用してタービンを回し、発電するものです。
火山の近くでは、地下20kmほどの深さにマグマ溜まりが存在し、周囲の岩石を熱しています。
そこに、地下の岩石の割れ目から雨水などが入り込み、熱せられた岩石の近くにたどりつくと、水は蒸気となり、上昇しようとするのですが、
 
地表の浅いところでは深い所に比べて温度・圧力が低いため、熱水に溶けていた成分が残り、出口をふさいでしまいます。

これが、下図のピンク色の細い線で描かれた部分(地熱貯留層)です。
地表から、この部分をねらって穴を掘れば高温高圧の蒸気が得られ、地熱発電ができるわけです。


冷水 温水 熱水 沈澱鉱物 マグマ 地層

(画像元 日本地熱学会日本の地熱エネルギーより)



地熱発電の長所は、天候に左右されず、限りない資源が存在するところにあります。
また、二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーとしても注目されています。
逆に、短所もあり、発電量が少なく、火山帯の地下水をくみ上げるために、場所が限られてしまいます。
そのために、ある特定の地域の発電には向いているともいえますが。。。

また、地熱発電のコストはというと、1キロワット当たり16円と、火力発電や原子力発電の9~10円に比べて高くなってしまいます。


日本における電力発電の割合を、みなさんは知っていますか?
原子力発電が約30%などなどであるのに対し、、、
地熱発電はなんと0.3%(2006年時点)しかないのです。
全国には18ヵ所あり、その多くが東北や九州といった山地に多く建てられています。


地学を学ぶ者としてはちょっと残念ですが、、、それはさておき、

この理由としては、やはりコストが高く、事業としては負担がかかりすぎてしまうからです。
また、火山付近などは、国立公園などに指定されていることも多く、地熱発電所を建設するような広い面積を確保できないという理由もあります。


しかし、日本には火山が多く存在するので、非常に多くの潜在する地熱エネルギーを持っているわけです!


自分たちは電気が無くては生活できません。
近年、枯渇性エネルギー(石油、石炭)の値段高騰や、地球温暖化対策の一つとして、地熱発電の拡大が期待できます。
しかし、高いコストを、いかに低くするかが問題になると思われます。

今のところ、どの発電方法が一番良いとは一概には言えませんが、

ただ一つ言えることがあるとすれば、それは、、、


みなさん、電気は大切に使いましょう!!
(土屋)

スケールに感動

はじめまして!
今年度から新たにプロジェクトに参加させていただくこととなった新規メンバー畑中です。
梅雨のさえない曇空をふっ飛ばすくらいの勢いで頑張ってゆきますのでよろしくお願いします。


さてさて、
ひとつ前の記事で花川君が4泊5日の巡見の前半のお話をしてくれたので、今日は後半のお話したいと思います。


吾妻山・安達太良山・磐梯山に後ろ髪をひかれながら次に向かったのはいわき市周辺&日立周辺。
火山岩でなくて今度は変成岩を見ようってことです。
変成岩とは、ある岩石が熱や圧力を受けることによって変成作用を受け別の種類の岩石になってしまったもののことです。


実際に変成岩を見学してみて、へぇーって思ったことは、すごくぺらっぺらで結晶の粒がでかい!
それよりなによりびっくりしたことがひとつあるのですが・・・。


皆さんは「褶曲」って聞くとどのようなものを思い浮かべますか?どのようなスケールですか?
私がそれまで思い浮かべていた褶曲は、厚さ数十メートルの地層が幅数百メートルにわたって、ぐにゃってしてるものだと思ってました。


しかし!
今回見た褶曲はというと・・・



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縦10センチにも満たないかわいらしい褶曲でした。
世の中にはピンからキリまでいろいろなものがあるんですねー。
世界最小の褶曲ってそのくらいなんだろう・・・?


あと、ザクロ石と呼ばれるピンク色をした宝石のような鉱物も採ったりしました!
家に飾るには持ってこいです。
こんな感じで変成岩を見学してました。

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↑これは私たちが宿泊した宿。ユースゲストハウスATOMAです、
今にもクリスマスソングが流れてきそうな北欧のような雰囲気です。
巡見の疲れを癒すにはすごくいい空間でした。

冬にはスキーに行ったときにでもまた利用させていただきたいです^^
(畑中)

もう梅雨の時期ですね

お久しぶりです。学部3年の花川です。

最近、水戸では梅雨のいやな天気が続いていましたが、皆さんはいかがお過ごしでしたか?

 

自分はそんな水戸を抜けだして4泊5日の巡検に行ってきました!

・・・半分くらいはやっぱり雨だったんですけどね。

行ったところは吾妻山、安達太良山、磐梯山、御斉所変成帯、日立変成帯。前半の3日間で火山を見学して、後半の2日間で変成岩(元の岩石がその後の熱や圧力で違う岩石になったもの)を見る、というなかなか充実したスケジュールでした。

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吾妻小富士山頂です。左側が火口なんですが、ガスで全然見えないですね・・・。            

 
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安達太良山頂です! いろいろな火山噴出物が落ちていて、とても興味深かったです。
軽石やスコリア(色の黒い軽石)、またそれらが混じりあった縞状軽石がありました。

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馬蹄形カルデラで有名な磐梯山です。磐梯山をジオパークにする動きもあるそうです。


と、全てをお見せすることはできませんが、いろいろな所にいっていろいろな物を見学してきました。新たな発見があったり、夜はみんなで勉強会をしたりととても楽しかったです。


皆さんも天気が悪い日でも外に出てみれば何か新しい発見が出来るかも!?

くれぐれも事故にはお気をつけて。
(花川)

陶芸と石の町―笠間―

プロジェクトメンバーの小畑です。
 
今回は水戸から西に20kmの所にある笠間市について話したいと思います。
 
笠間市は笠間城の城下町として栄えた町です。日本三大稲荷の「笠間稲荷神社」が全国的にも有名なこの町ですが、近年は笠間焼の生産地として多くの観光客が訪れます。
 
実は、この笠間焼の誕生にも「ジオ」が関係しているのです!
 
焼き物を作るためには、良質な粘土が必要となりますが、笠間市周辺には、この原料の粘土が豊富にあるのです。
 
笠間市周辺は、稲田花崗岩という良質の石が見られます。
花崗岩はこんな石です↓
 sk001.jpg
白と黒の絶妙な色のバランスが綺麗ですね!
 
この笠間の花崗岩は6000万年前に形成されたものと考えられています。
他の地域と比べて新しいため、強度が強く、石材としても有名です。公共の建物の床石などで見たことがある人も多いでしょう。
 
この頑丈な花崗岩、実は非常に長い期間水や空気にさらされると、脆くなるのです。
このボロボロになった土に水が加わると粘土になります。
この良質の粘土が笠間焼を生み出したのです。
 
P6030067.JPG
写真は、プロジェクトメンバーがろくろで作った笠間焼です!

様々な姿を見せる笠間焼を訪ねに、是非、笠間にいらしてください♪
 
(小畑)

地質情報活用PJとは

地質情報活用プロジェクトとは、茨城大学で地質学を専攻する学生によるプロジェクトです。プロジェクトでは、地質の見所をまとめた地質観光まっぷの製作や、その見所をプロジェクトメンバーが実際にご案内するジオツアーを行うなど、ジオツーリズムによる地域振興を目指しています。

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