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茨城大学地質情報活用プロジェクトのブログ

カテゴリー「地質の小話」の記事一覧

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学生フェスティバル2

こんにちわ。プロジェクトメンバーの細井です

先日13~15日の3日間学生フェスティバル(以下学フェス)が行われたので参加してきました。
以前にも学フェスのブログ記事があったのはご存知ですか?
学フェスとは全国の地質系の科がある大学が持ち回りで主催となり、他大学の方々を招待し、地質などを案内するものです。

実はちょうど1年前、私たちの所属している茨城大学も主催となって他大学の方を招待しました。
それが前々回の話で前回は信州大学が主催、今回は埼玉の立正大学が主催となり秩父の方を見てきました。


今回はほんの一部を簡単に紹介したいと思います。


初日

・埼玉県立自然の博物館
ここでは主に秩父盆地とその周辺に見られる岩石や化石などが展示してあり、中でも目を引くのがカルカロドン・メガロドンというサメのあごの復元模型と、およそ中新世前期~中期(1800万年~1400万年前)の海獣パレオパラドキシアの骨格復元像が展示してあります。このパレオパラドキシア骨格から復元しているそうですが色々と変な点があり、無理やり復元しているので脱臼していたりするとか・・・

・長瀞岩畳と虎岩
ここは三波川変成帯と呼ばれる変成岩が見られます。様々な種類の結晶片岩といわれるペラペラはがれるような石からできているのですが、この虎岩といわれるものは模様が複雑ですね。あの宮沢賢司もここを訪れ、“つくづくと 「粋なもやうの博多帯」 荒川ぎしの 片岩のいろ”と詠ったそうです。ちなみに日本地質百選の1つです。
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2日目

・瀬林の漣岩と恐竜足跡
皆さんは砂漠や川底などにできている砂の模様を見たことがありますか?この地では大昔のその模様をみることができます。岩の表面にデコボコと模様がついているのが分かりますか?地質学用語でリップルというのですが、これはリップルの中でもカレントリップルとい うもので、昔の水の流れの方向を知ることができます。ちなみにこの写真では水は右上から左下方向に流れてようです。そしてこの表面上の方に大きな穴が2つ、左下の方に斜めに小さな穴がいくつもあるのがわかりますか?これはなんと恐竜の残した足跡だそうです。ここも日本地質百選の1つです。
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3日目

・海底地すべり跡
地すべりというのは聞いたことがあると思いますが、実は地すべりというのは海底でも起こっているのです。地震など の影響によって固まってない堆積物(砂や泥など)が動き出すと地すべりが起こります。ここでみられるのは一部の未固結な層がずるっとすべり曲ったものがみ られます。これは地質学用語でスランプ褶曲と言います。
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・ようばけ
ようばけとは崖のことを言うのですが、ようばけという由来は「陽(よう)のあたるはけ(崖)」つまり日のあたる崖というところから来て いるようです。この崖で見ることができる地層は浅海で堆積したもので、サメの歯やカニ、クジラ、貝など様々な化石を含んでいるようです。残念ながらここは 天然記念物指定を受けているので、間違っても石を叩いたり割ったりしないようにしてください。


簡単にほんの一部を紹介したのですが如何でしたか?
もしこれを見ておもしろそうだと思った他大学の学生の方はぜひ連絡を!

そして地質とか分からない人でもオーム社から出版されている「日本列島ジオサイト 地質百選」という本を見れば日本中の面白い地質・岩石を知ることができます。ぜひ見てみてください。
(細井)

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珪藻

皆さん、珪藻について知っていますか?


珪藻は、非常に小さな単細胞生物の植物(藻類)で、ちょうどお弁当箱のような感じで内ぶた(内殻)と外ぶた(外殻)から成り、表面には点紋や条線があります。
また、細胞壁の中の殻は主に珪酸質(ガラス質)で出来ているので丈夫なため、死んだ後もこの珪酸質の殻だけは残りやすく、化石になりやすいという特徴があります。


下図は、走査型電子顕微鏡により撮影した色々な珪藻の被殻写真です。
(Bradbury J: Nature's Nanotechnologists: Unveiling the Secrets of Diatoms. PLoS Biol 2/10/2004: e306. http://dx.doi.org/10.1371/journal.pbio.0020306
EXTERN_0000.JPG
ひとくちに珪藻といっても、珪藻にはたくさんの種類があり、その種類によって住む場所が異なります。たとえば、塩分濃度、pHの違い、水が綺麗か否か、水温・・・などの環境の違いです。

この生息環境の違いから、そこに住む珪藻の種類を調べることでその場所の環境がわかります。汚い水を好む珪藻が多く見られたら、そこは富栄養の汚れた環境であるということです。


そして、化石として地層中に残りやすいことから、その地層が堆積した当時の環境を推定することができる「示相化石」にもなります。また、古い地層から新しい地層の珪藻を調べることで古環境の推移も推定できます。

このように、珪藻は現在・過去の環境を知るために、有効な生物であることがわかります。


目に見えない珪藻ですが、実は身近な生物と言えるかもしれません。珪藻化石が積もってできた化石の地層「珪藻土」はコンロの材料や保温材、断熱材、ろ過剤など様々な用途で使われているのです。

珪藻は私たちの日常生活に密接に係わっているのですね。
(図子田)

大谷石

皆さんは、「大谷石」という石材をご存知でしょうか?

大きな農家の蔵や古くからある家の塀等によく使われている、白くどこか温かみのある石が大谷石です。大谷石は、火に強く熱を通しにくい特徴を持ち、やわらかく加工も容易であるため、古くから建築物の石材として用いられてきました。


この大谷石ですが、実は地質学的にとってもおしろい石なんです。


大谷石は、栃木県宇都宮市大谷に分布します。下の写真は大谷資料館の中の大谷石です。
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大谷資料館では、採掘していた様子を地下に降りて見学することができます。

写真を見てください。白い石の中に赤茶色をした斑点があるのが分かるでしょうか?これは、変質した軽石です。大谷石は、地質学的には軽石質凝灰岩といい、実は水中にたまった火砕流堆積物なのです。



およそ2500~1100万年ほど前の前期~中期中新世、日本列島の大部分が海に沈んでいました。さらに、日本列島の各地で火山活動が活発化していました。

当時、宇都宮周辺には湾が広がり、そこで流紋岩質の海底火山が活動していました。この海底火山は噴火する度に大量の火山岩や軽石、火山灰を噴出させました。これらが水中火砕流として流れ、湾の中に堆積したのが大谷石です。


さて、実は茨城県内にも大谷石とそっくりな石があるのをご存知でしょうか?

茨城県北部、大子町から常陸大宮市にかけて、北田気層大沢口凝灰岩部層という層があります。これは軽石質凝灰岩を主体としており、およそ1700万年前に堆積しました。この軽石質凝灰岩は、栃木県東部にあったと思われる流紋岩~デイサイト質火山からもたらされた陸上の火砕流堆積物です。

「地質観光まっぷ ③袋田の滝」のポイント①、ポイント②でみられる岩石は、この時代に堆積しました。詳しくは「地質観光まっぷ③袋田の滝」の裏面、袋田周辺の成り立ち1.陸の時代第一章をご覧ください。
(地質観光ままっぷのダウンロードはコチラ


この大沢口凝灰岩部層の軽石質凝灰岩も、石材として利用されていました。上小川の大沢口や常陸大宮の白岩峠には石切り場の跡があります(下写真)。
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(松原)

東京ミネラルショー2008

皆さんミネラルフェアもしくはミネラルショーをご存知ですか?
ここでいうミネラルとはおそらく皆さんが想像する栄養のミネラルではなく鉱物のことで、鉱物を英語で言うとミネラルなのです。


このミネラルショーというのは世界中の化石や鉱物の展示即売会であり、激安で色々な物を買えます。
もちろん宝石もあります。様々な鉱物のなかで、希少価値のあるものが一般に宝石と呼ばれています。
なので女性の好きな宝石も激安で買えます(笑)


実は12月12日(金)から15日(月)まで東京池袋のサンシャインシティにて東京ミネラルショーが行われていました。そこで私は他大学の方々も交えてその場へ行ってきました。


私が行った当日、サンシャインシティの別の場所にはお笑い芸人「サンドウィッチマン」が現われていたのですが、会場の人数は断然東京ミネラルショーの方が多かったように思います。


そして会場はというとすべてじっくり見るのには1日じゃ足りないほどの鉱物や化石などの展示量。
価格は100円で買えるようなものから数千万円もするようなものまで。


展示品ももちろん普通の鉱物や化石からそれらに関する本・そして鉱物から作られた数珠や水晶の地球儀などなど様々なものがありました。



私は会場で何か良いものを見つけたら買うつもりでいたのですが、1つしか買わずに終わってしまいました。
しかもその1つというのは研究のためのもので、以前紹介しました「黒鉱」と同種の「黄鉱」です。
黄鉱とは海底噴気性鉱床の黒鉱鉱床中で(黄鉄鉱・黄銅鉱)を主体とする黄色鉱石のことです。

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これがその写真です。


私が1つだけしか買ってないのに対し、周りの知り合いはたくさん買ってました。



今回私自身が感じたこととしては
確かに鉱物や化石は欲しいけどそれを買って手に入れるのではなく、自分で探し採り手に入れることが好きなんだなってことです。
地質屋の人はもしかしたらみんなこうなのかもしれないですね!


ちなみにこのイベントやこれに似たイベントは毎年行われており、来年6月頃には東京国際ミネラルフェアというのが行われる予定です。

興味のある方はぜひ足を運んでみては?
(細井)


阪神の星

お久しぶりです。2年の花川です。
今回は少々地質と離れたお話を。


皆さんは大阪に行ったことはありますか?

最近、教育問題やら財政赤字やら、あまりうれしくない話題で有名ですが、やっぱり大阪と言ったら阪神タイガースですよね!

さて、そんな僕も大好きな阪神タイガースですが、実は小惑星の名前にもなっていることは皆さんご存知ですか?

小惑星の命名にはさまざまな規則がありますが、基本的には発見者によって提案されたものが、国際天文学連合による審査に通れば命名されます。

従来は、なるべくラテン語のものが好ましい…という暗黙の了解があったようですが、最近ではその限りではなくさまざまな名前が付けられており、前述のHanshintigers(阪神タイガース)もその1例です。

阪神の“星”が生まれたエピソードはとても面白いものでした。
なんでも、最初は巨人のリーグ優勝がきっかけだったとか。

94年10月、Hanshintigersを含むいくつかの星が発見され、近年になって、軌道が確定し、命名の条件が整いました。その中で、最初に起動が確定した小惑星は、発見数日前にセ・リーグ優勝を果たした巨人と、著名な漫画にちなんで、Tokyogiants(東京ジャイアンツ)と名づけられました。

メンバーの一人は「巨人だけでなく阪神も…」と主張したそうですが、「阪神の星など漫画にはないから」と一蹴されてしまいました。

しかし、2005年(軌道確定の前年)の18年ぶりのリーグ優勝を機に仲間も認めてくれたそうです。

他にも“Takoyaki(たこやき)”や、”Anpanman(アンパンマン)“など、面白い名前はたくさんあります。


一度、調べてみてはいかがですか?
きっと何か面白いものが見つかると思いますよ!
(花川)

地質情報活用PJとは

地質情報活用プロジェクトとは、茨城大学で地質学を専攻する学生によるプロジェクトです。プロジェクトでは、地質の見所をまとめた地質観光まっぷの製作や、その見所をプロジェクトメンバーが実際にご案内するジオツアーを行うなど、ジオツーリズムによる地域振興を目指しています。

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