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茨城大学地質情報活用プロジェクトのブログ

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茨城県で発見 日本最古の地層


イギリス、ウェールズ。

赤い竜の国旗を持つ、イギリス連合をつくる国のひとつ。
「歌の国」とも呼ばれ、シャルロット・チャーチやメリー・ホプキンなど多くの有名な歌手を輩出してい ます。国土は険しい山々、荒々しい原野、長い長い海岸線など美しい自然にあふれ、約20%が国立公園に指定されています。豊かな自然はそれらを愛する心を 育み、芸術性の高い国民性を生み出したのでしょう。


このウェールズの古名を、「カンブリア」と言います。「カンブリア紀」の語源です。約5億4,200万年前から約4億8,800万年前までとされるこの時代の岩石は、今のウェールズで初めて発見されたのでした。

カンブリア紀は、ゴンドワナ超大陸と呼ばれる、現在の4大陸(南北アメリカ、アフリカ、南極、西オーストラリア、アジア)を含んだ巨大な大陸が存在した時代 です。

この時代には「カンブリア爆発」と呼ばれる、生物の種類が突如として爆発的に増加した現象が起きました。現在の生き物の「門」は、全てこの時代に出 揃ったと言われます。


このカンブリア紀の地層が、茨城県・日立市で発見されました。発見したのは、田切美智雄・茨城大学教授と国立極地研究所のチームです。

1997年、岐阜県・飛騨でオルドビス紀(約5億~約4億4000万年前)に生息した生物の一部の化石が発見されて以来、オルドビス紀が日本で見られる最古の時代 であるとされてきました。今回の発見は一時代前のより古い地層の存在を示したもので、日本列島の地質図が再編される可能性も出てきました。


9月22日からの地質学会で研究成果を発表した田切教授は、「3箇所の測定年代が、誤差400万年程度の高い精度で、そこが5億年前に形成された地層であることを示している。」と述べます。

田切教授はさらに、「測定を行なった試料を含む層は、ゴンドワナ大陸の縁辺部にあった火山島弧で形成された。日本ではできないとされていたゴンドワナ大陸の時代の研究が、今後進められていくことになるだろう。」と語ります。



「カンブリア」と言う言葉は、もとウェールズの言葉で「カムリ(同胞)」と言ったものが古代ローマ人の間で訛って伝えられたものだと言われています。


現在地球上に生きる全ての同胞、生き物たちの「門」が突如として生み出された、謎に満ちたカンブリア紀という時代。日本でも今後、そんな時代の生き物たちが発見されるかもしれません。
(小峯)

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地質情報活用プロジェクトとは、茨城大学で地質学を専攻する学生によるプロジェクトです。プロジェクトでは、地質の見所をまとめた地質観光まっぷの製作や、その見所をプロジェクトメンバーが実際にご案内するジオツアーを行うなど、ジオツーリズムによる地域振興を目指しています。

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