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茨城大学地質情報活用プロジェクトのブログ

カテゴリー「地質の小話」の記事一覧

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小判石

「小判石」という石をご存知でしょうか?


茨城県筑波山の北東に、峰寺山西光院という天台宗のお寺があります。

崖の中腹から組み上げられた柱が寺院の舞台を支えており、「関東の清水寺」と呼ばれています。崖へ向かって突き出た舞台からの眺望はすばらしく、茨城百景に選ばれているほど。また、寺院は茨城県の文化財に指定されています。


まるで清水の舞台。
CIMG6434.JPG

低い欄干の向こうに広がる絶景。
CIMG6435.JPG

この西光院の駐車場から西へ150mほど行くと、崖の下へと続く階段があります。

階段を下っていった先に、「小判石」はあります!



正式には「球状花崗岩」といい、筑波山をつくっているものと同じ花崗岩という岩石の中に、まるで小判のように丸い石が沢山入っているものを言います。この崖では、球状部が風化し、たくさんの丸いくぼみが見られます。

昔の人は、お寺の近くの崖にたくさんの小判が!と驚いたのでしょうか。


天然記念物・球状花崗岩。通称小判石。
P8180104.JPG
花崗岩とは、マグマが冷えて固まった岩石のひとつですが、その途中で砂岩という砂からできた岩石を取り込んで、それが溶け出して丸く固まったものが、球状花崗岩になったと言われています。


球状花崗岩は、実は世界でも非常に稀なものなのです。

日本にも愛知県、長野県、そしてここ茨城県の峰寺山西光院の3箇所でしか確認されておらず、天然記念物に指定されています。


筑波山へ地質観光にお越しの際は、ぜひ足を伸ばして、文化財・西光院からの眺めと、天然記念物・小判石の見学を楽しんでみてください。


〈茨城県の小判石〉
場所: 茨城県石岡市吉生2734(峰寺山西光院)
料金: 無料
交通: JR常磐線石岡駅からバスで30分、タクシーに乗り換え15分。
西光院に無料駐車場あり。
(小峯)
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夏と新潟と私

今年度からプロジェクトに参加させていただいている春日です。


4年目にしてやっと茨城の夏に慣れてきた~と思ったらもう9月!!
早いですね…。


みなさん、涼しくなってきたら地質観光まっぷを手にハイキングなど出かけてみてはいかがでしょうか?


私も地元の新潟の十日町市で地質調査ではないのですが、山に入ってきました。
残念ながら私が行ってきた山は地元民以外入山禁止ですが。

夏なのに風が涼しくて最高でした。
 5b10ea76.jpeg
やっとこさ登りきったらこの景色!!疲れも吹っ飛びますね♪


山の中に見えるのは魚沼産コシヒカリの田んぼです!! ちなみに、十日町市は魚沼のなかでも特においしいお米の産地です。


写真のような「棚田」は地すべりによって形成された緩やかな斜面に作られています。

実はこの場所は、昔から地すべりが多発してきたいわゆる「地すべり地」なのです。

この場所が日本一おいしいお米の生産地として有名になっているのは、災害があっても諦めず、この地でお米を作り続けてきたご先祖様のお蔭なのですね。
(春日)

地質観光ノススメ

天を突きそびえ立ち、はるか遠くまで見晴るかす火山。
激しく流れ落ちる滝、切り立った崖、空を細く切り取る峡谷。
広くゆったりと流れて行く河。
しぶきを上げる激流。
海岸を洗う波、照り返し輝く海、空に溶ける水平線。

平成19年、政府は観光立国推進基本法を施行し、外国人観光客を増やすためにビジット・ジャパン・キャンペーンがうたれ、今年10月には観光庁の設立が予定されています。今日本では、経済の発展や魅力ある国土の形成のため、国をあげて観光産業を興そうとしているのです。

そんな中注目を集めているのが、日本の美しい地形、世界的にも珍しいその成り立ちを目玉とした「地質観光」です。

4つのプレートがぶつかり合うという、世界でも珍しい場所にある日本。複数の大きな力が衝突し重なり合い生まれてきたこの国土は、美しく珍しい地形をたくさん有しています。

たとえば、神奈川県北西部に位置する、丹沢山地。険しくも美しいその姿に加え都心からも比較的近く、沢のぼりやキャンプなどの一大アウトドアスポットとして毎年多くの観光客が訪れています。

皆さんはご存知でしょうか?この丹沢山地が、実は昔、日本よりはるか南の海にうかぶ、火山島だったことを。

伊豆半島を含めたこの地域一帯は、その昔フィリピン海プレートの移動に伴って北上し、本州に衝突した火山島などによって構成されていると言われているのです。そこからは、南の海にしかいないはずのサンゴの化石なども発見されています。

ただ山に登るのではなく、その山の成り立ちを知る。ただ釣りをするのではなく、その湖の、何千万年も前の風景に、何千万年も後の景色に思いを馳せる。

そんな新しい観光は、いかがでしょうか。

日本には、そんな地質的な魅力があふれています。あなたの町にも、きっと。それらの地質的みどころを中心に、地域の文化的みどころと融合させた総体的な地域観光。それが「地質観光」なのです。

日本人にも外国人にも魅力あふれる、国づくり、地域づくりを。
私たちと一緒に、「地質観光」はじめませんか?
(小峯)

地質情報活用PJとは

地質情報活用プロジェクトとは、茨城大学で地質学を専攻する学生によるプロジェクトです。プロジェクトでは、地質の見所をまとめた地質観光まっぷの製作や、その見所をプロジェクトメンバーが実際にご案内するジオツアーを行うなど、ジオツーリズムによる地域振興を目指しています。

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