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茨城大学地質情報活用プロジェクトのブログ

カテゴリー「地質の小話」の記事一覧

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降った雨がどうなるか?

こんにちは!!小山です。 
 
最近気温もどんどん高くなり、日ごと夏に近づいて来てますね。今日も半そでで一日過ごせそうです。

夏といえば海に、祭に、花火にと楽しいイベントがいっぱいのシーズンですが、雨のシーズンでもあります。

そこで今回はちょっといつもと視点を変えて、私の研究テーマである「防災」に関してお話ししたいと思います。
 
 
 
いきなりですが 「土壌雨量指数」 という言葉をご存知ですか?硬い言葉で嫌になるかもしれませんが、簡単にいうと

「地面にどれだけ水がたまっているか?」
「土砂災害の危険度がどのくらいか?」
 
ということを表す指数で、土砂災害警戒情報や、大雨警報警報・注意報の発表基準として用いられています。


降った雨がどうなるか?
ddfmkhwz_348f8qcg6dj_b.jpg
気象庁HPより
 
上の図のイメージのように降った雨は一度地面(土壌)に吸い込まれます。

その後あふれ出して表面から流れ出たり、土壌中を通って、河川へと流れ出ていくわけですが、土壌雨量指数とは、この地面(土壌)に含まれている量がいったいどのくらいなのか?ということを示しています。


そしてすごいのは、ただ量を示すでけでなく、過去十年間のデータと比較して、その量が過去何番目の量なのか?それは危険なのか?ということを示してくれることです。


現在地面(土壌)に含まれている水の量、この先降るであろう雨の量から、災害の危険性を判断し、警報・注意報の発表を行っているんですね。


余談ですが、警報と注意報の違いご存じですか?
  • 注意報:災害が起こるおそれのあるとき
  • 警報:重大な災害が起こるおそれのあるとき

いよいよ雨のシーズン到来です。今年も去年のようなゲリラ豪雨の猛威が懸念されています。
これを機会に一度防災点検などをしてはいかがでしょうか?

今回図を引用させていただいた気象庁のHPでも雨のみならず、さまざまな防災・災害に関する知識を得ることができましす。上記の注意報・警報に関する情報も詳しく得ることができます。

ぜひ、一度のぞいてみてください!!
(小山)
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湖沼の種類

湖沼は、生物生産と環境要因によって分類することが出来ます。この分類の仕方を「湖沼型」と言い、調和型湖沼非調和型湖沼の2つに大別されます。
 
 
では、「調和型湖沼と非調和型湖沼の違いは何なのか?」ということですが、平たく言えば生物の生産活動の調和が取れているかいないかの違いとなります。
 
 
調和型湖沼は生物に必要な成分が適度にあり、生産者と消費者がバランスを保っている湖沼で、栄養状態によって以下のように分類することができます。
  • 富栄養湖:リンや窒素といった栄養塩類濃度が高く、生物生産活動が極めて活発。栄養がたくさんあるのでプランクトンが大量発生し、水質汚濁が起こりやすい湖です。また、水の透明度が低いので外見も汚く見えます。 栄養塩類濃度が富栄養湖の基準よりさらに高いものを過栄養湖といい、 地質観光まっぷを作成した霞ヶ浦はこれに該当します。
  • 中栄養湖:栄養塩類濃度が中程度の湖で、生物の住みやすさや汚濁などを考えると調和型湖沼の中で一番良い状態と言えます。
  • 貧栄養湖:栄養塩類濃度が低いため、生物生産活動があまり活発ではなく、生物の数は少ない湖です。しかし透明度が高く、水が澄んで見えるため外見的にはきれいに見えます。
     
非調和型湖沼は生物にとって不必要な物質や条件が過剰にあるため、生物があまり生存できず、全生産および部分生産が非調和な湖沼です。水質の特徴によって以下のように分類することができます。
  • 腐植栄養湖:腐植した有機物が多量に溶け込んでいる湖。溶け込んでいるフミン酸などの腐植質が原因で水の色は黄褐色から褐色の色に見えます。
  • 酸栄養湖:pH5.0以下の酸性の湖水であるもの。火山や硫黄泉付近に多く見られます。一般に生物の種類は少ないですが、特定の種が多く存在することがあります。
  • アルカリ栄養湖:pH9.0以上のアルカリ性の湖水であるもの。アルカリ栄養湖で大発生する藍藻類はフラミンゴの主食ということなので、フラミンゴが集まっている湖では大概はアルカリ性であると言えますね。
アルカリ栄養湖にフラミンゴが集まるように、私が現在研究で扱っている珪藻も、アルカリ性の湖に大量に出現するものや、富栄養湖に大量に出現するものなど、そこの環境の条件下によって出現しやすい種があります。

これから研究を進めていって、水戸の千波湖ではどんな珪藻が多く出現するかを報告できればと思います!
(図子田)

研究地域紹介~秋田駒ケ岳~

はじめまして、PJ会計の神です。


今回は、私が行っている研究の一部を紹介したいと思います。

私の研究地域は、秋田県の秋田駒ヶ岳火山です。

本火山の活動期を大きく3つに分けられ、そのなかでも一番古い主成層火山形成期(約10万年~1万3千年前)の噴出物を研究しています。調査は主に本火山西部地域を中心に歩いています。

 
さて、今回は昨年の秋、男岳~横岳山頂部を調査した時に撮った、写真の何枚かを紹介したいと思います。

下の写真は横岳山頂から撮った、カルデラ内部の写真です。
 
ddfmkhwz_283gkwwcqd3_b.png
 正面に見えるのが小岳です。
 小岳はカルデラが形成した後に形成された火口丘です。

 その右横には、もう1つの火口丘である女岳があります(下の写真)。
 ddfmkhwz_284c24dm9d8_b.jpg
女岳は1970年にストロンボリ式噴火をし、周囲に溶岩餅やスコリアを噴出しました。

しかし、噴火自体は静穏であったということもあり、噴火時の様子を男岳から眺める見物人も少なくはなかったそうです。
上の写真の女岳上部の若干黒ずんでいる所が、1970年噴火の噴出物です。

 
写真1、2は共にカルデラ壁に相当します。
急崖で、更には足場があまりないということもあり、冷やりとしながらの調査でした。
また、秋田駒ヶ岳は高山植物が多く咲いていることで、今回の調査では紅葉が見ごろを迎えていました。
今度、6月後半にまた調査しにいく予定なので、また今回とは違った風景が見られることを期待しています。
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研究紹介~大子の地質~

 滝本です。

今回は、私が行っている研究の一部を紹介したいと思います。


研究地域は、茨城県の大子から常陸大宮周辺の新第三系(第三紀の地層)です。この地域では、河川や湖の堆積物、海の堆積物、火山性の堆積物がよく見られます。
ddfmkhwz_253d57m3tfb_b.jpg


調査では主に沢を歩きます。沢のほうが地層の露出も良く、水で洗われて地層がきれいに出ていることが多いです。上の写真は高さ5m程度の小さな滝です。沢を歩いていると時々小さな滝に遭遇します。


この滝の付近では、角ばった礫を含む硬くて大きな岩がごろごろと転がっています。上流から流れてきたようです。(下の写真)
ddfmkhwz_254dzqvbkcj_b.jpg
この岩は男体山火山角礫岩といって、大昔に水中で溶岩が急激に冷やされて粉砕したものが堆積して出来た岩です。袋田の滝をつくっている岩と同じです。


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上の写真の地層は砂岩です。平らな板が平行に重なっているように見えます。だいたい北東に傾いています。


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上の写真は砂岩です。河川で堆積しました。ひとつ前の写真と違って、平らな層でなく、下にカーブした線が重なって見えますが、このような構造(堆積構造)は水の流れがあるところで砂が堆積する時にできました。


堆積する場所によってそれぞれ特徴的な構造をもっています。一つの露頭(地層が現れている部分)だけで堆積環境を特定することは難しいですが、地層の分布や重なりを調べると当時の環境を推測することができます。


ddfmkhwz_257f2dpmjdn_b.jpg
沢沿いの日当たりの良い斜面にフキノトウが辺り一面にありました。

写真は雄花。少し開いてきたところで、中には小さなつぼみが集まっていました。


この季節に行う野外調査では、菜の花や梅の花なども楽しめます♪

私の調査地域では過去に貝や動物の足跡化石が出ているので、もし発見したら報告します!
(滝本)

空から豆が降ってきた!

地球は神秘に満ちています。とっても不思議なことが当たり前のように起こります。


時に、空から豆を降らせることもあるのです。


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上の写真をご覧ください。これが降ってきた豆を含む地層の写真です。この豆は、細かな火山灰でできており、火山豆石(かざんまめいし)と呼ばれるものです。

火山豆石は、火山が爆発的な噴火を起こしたとき、火山灰が空高く舞い上がり、上空で水滴や雲粒、火山灰の粒などに、表面張力や静電気力などにより火山灰がくっついて固まったものです。このうち、落下しても壊れない強度を持ったものが火山豆石として地表にもたらされます。大きさは1cm以下のものが大半ですが、中には2cmを超える大きなものも見られます。同心構造で、しばしば表面に細粒の層が見られます。


皆さんの記憶に新しい雲仙普賢岳の大噴火。実はこの時も火山豆石が降ったことが報告されています。

写真家・サイエンスライターの白尾元理氏はそのときの様子を「1991年5月末、噴火をはじめたばかりの雲仙普賢岳の山麓にいた。空は梅雨の走りを思わせる一面の曇天、小規模な火砕流から立ち上った赤黒い噴煙が頭上を覆った。まもなく直径数mmの凝集した火山灰の粒がパラパラと雨のように降ってきた。それが火山豆石だった。」と報告しています。


火山豆石はほかに、一度堆積した細かい火山灰の上に雨粒が落下し、またそれが転動してできることもあるとの説があります。

茨城県では、おおよそ1700万年前に堆積した北田気層大沢口凝灰岩部層(きたたげそうおおさわぐちぎょうかいがんぶそう:大子町~日立大宮市にかけて分布)や、小貝野層(おがいのそう:日立大宮市周辺に分布)中の細粒凝灰岩中に見ることができます。これらの層は真っ白いのが特徴で、大谷石と同じ軽石質凝灰岩と一緒に見られます。

皆さんも是非探してみてください!下の写真は上小川駅近くの大沢口に露出する大沢口凝灰岩部層の露頭と、そこで見られる火山豆石です。
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(松原)

地質情報活用PJとは

地質情報活用プロジェクトとは、茨城大学で地質学を専攻する学生によるプロジェクトです。プロジェクトでは、地質の見所をまとめた地質観光まっぷの製作や、その見所をプロジェクトメンバーが実際にご案内するジオツアーを行うなど、ジオツーリズムによる地域振興を目指しています。

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